食事を低たんぱく質にするには
たんぱく質をとると老廃物が出るため、これを排泄する腎臓に負担がかかります。腎臓の負担を最小限に抑えるには、良質なたんぱく質を適量とることが大切です。
加工食品は食べない
腎臓病を患った体にとって高品質なたんぱく質の食品とは、魚・肉・卵・大豆製品・乳製品などです。しかし、こういった類の加工食品である練りもの・八ム・べ一コンや市販のお惣菜、冷凍食品等は、塩分が非常に多く含まれており食べないことが賢明です。
穀物のたんぱく質に注意する
白米や麺類にものたんぱく質が多く含ます。そういう理由から、低たんぱく質抑えた米・レトルトごはん麺類も市販されています。このような腎臓病治療用特殊食品を選択すると、主食(ごはん・麺類)のたんぱく質を削減した分、たんぱく質の多い魚類や肉類を多めに食べることが出来ます。
肉料理や魚料理は、視覚的にボリュームアップさせる
腎臓病の患者の方の調理はちょっとしたアイデアが必要です。例えば、スライスした肉類は野菜を芯にして巻き込んだり、全粒粉のパン粉などの衣をつけて油で揚げると、少ない量でも視覚的にかさ増しができ、満足感が得られます。
えびなどの甲殻類や貝類は、殻ごと料理するのが量を多く見せるコツです。肉類・魚類を野菜といっしょに串に刺して焼くのもいち押しです。肉類は炒飯など、主食に混ぜ込める料理だと見た目に多く見えます。
塩分を制限しながら旨味アップ
塩分は腎臓から排出されるため、摂取過多は腎臓に大きな負担をかけます。腎臓病の方が食べる料理も塩分を抑え、アレンジしだいで美味な食事が可能です。
香辛料・香味野菜をうまく使う
香辛料(からし・唐辛子・こしょう・山椒・わさび)や香味野菜(しょうが・にんにく・ねぎ・大根おろし・大葉・木の芽・イタリアンパセリ等)を調理に利用することで薄味でも旨味のある料理に仕上げられます。
焼き物料理を作る
焼き目をしっかりつけた焼き魚を、焼き立てで食べると、振り塩をしなくてもおいしく食べることができます。
幸げ目や温度も、料理をおいしくしてくれます。
新鮮な食材をしっかり取っただしで料理する
料理には新鮮な食材を使うのが、塩分を制限するコツです。だしの旨味をきかせて調理すると、薄味でもおいしい料理を作ることができます。加工食品や干物には、塩分が多く含まれていますので可能な限り控えること。
腎臓病の病状の進行を遅らせるには毎日の生活習慣を改善する
喫煙は慢性腎臓病の発症・進行に深く関わっていると考えられます。喫煙は腎臓病をはじめ、生活習慣病などいろいろな病気の元凶でもあるので、まず第一に禁煙することが必須要素です。
適量の飲酒は、慢性腎臓病の危険因子とはなりませんが、過剰な飲酒は、慢性腎臓病や末期腎不全の危険因子となるので注意が必要です。
糖尿病や高血圧症の発症を抑制したり、適切なウエイトを持続するためにも運動することが肝要です。自身の体力や体調を考慮して、継続的に適度な運動をおこないましょう。
不規則な暮らし方や無茶な残業で起こる過労を回避し、良質な睡眠を十二分にとりましょう。腎臓病には過度なストレスも天敵になり得ます。
慢性腎臓病の発症・進行を遅らせる生活習慣はメタボリックシンドロームと類似しています。つまるところ、これらの生活習慣を是正すれば、慢性腎臓病をはじめいろんな病気を防御することができます。