腎臓病になっても食生活の改善ができないと
自覚症状から見つけるのは難しいといわれている腎臓病ですが、もしも食事制限をせず、様々な要因で食生活改善ができないと、のちに人工透析をしなければいけなくなります。
透析を始めるとほとんどの方は腎移植を受けない限り、一生続けていかなくてはいけません。(ごく稀に腎機能回復により一時休止する方もいらっしゃいます。)
透析食で気をつけなければいけないポイントは4つあります。
まずは水分と塩分。人工透析は、週に3回4時間以上かけて血液をきれいにしますが、体重を増やさないよう努力しなければなりません。
2~3日に一回2000ml~3000mlの体にたまった水分を機械で引くわけですから、透析後は血圧が下がってしまったり、帰宅後も疲れて家事もできずに寝てしまうなど、身体にかなり負担がかかります。お仕事も今までのように働くことができないため、うつになる方もいます。
水分だけ控えればいいのでしょうか
「水分を控えれば塩分は気にしなくてよい」という方もいらっしゃいますが、塩分をとると身体の中で濃度を一定に保とうとする作用から水をひきつけてしまいます。結果、体重増加につながってしまいます。
次に、腎臓病の食事療法に比べ塩分やタンパク質の制限は緩やかになりますが、尿がでにくくなる関係上カリウム制限は最も気を付けなければいけないポイントとなります。
万が一、カリウムをたくさん摂取してしまった場合、心臓が止まってしまう可能性があります。
カリウムは水に流れる性質があるため、野菜やイモ類は茹でこぼしをした後に調理するなどのひと手間を加える必要があります。
最後にカリウムのように食べ過ぎてしまうと心停止するという危険性はありませんが、リンを摂りすぎてしまうと骨の石灰化やかゆみなどが生じてしまいます。
身近にたくさんの透析患者様をみてきましたが、想像以上に大変です。人工透析に移行しないためにも、腎臓の機能が少しでも落ちないよう、腎臓病の食事療法を早期から取り入れましょう。